戦争さえなければ...

「戦争さえなかったらまあまあいい時代やったな。」と、昭和6年生まれの母が口にしたことがありました。

その人生の中でそれほどに嫌な記憶として残っているものが何かまでは、詳細に聞かされたことはなかったですが、あれダメこれダメと自由を束縛され、子供といえども何かにつけて戦時下だからで我慢を強いられていたというのに、終わってみればあれはなんだったんだと思いたくなるほどに、大人達の態度も発言も変わってしまっていたと話をしてくれたことがあったのです。

しかし、戦争という特殊な時期を除いては、母が生きた昭和というのはそれほど悪い時代でもなかったのだろうと私も思います。

ただ、この5月3日にこれが最後の整理だと決めて香川へ向かったのですが、遺品、廃品整理業者でも驚いたほどに、単身者の住居と思えないほどの荷物が3LDKの中にギッシリだったのです。二人の姉達にすれば親孝行のつもりだったのでしょうが、自分たちが買い換えて使わなくなった家具類を、母にあげていたことも理由の一つだし、昭和一桁が昔によく言われていた通り、ものを捨てられない世代でもあったからでしょう。

途方に暮れて、ただ機械的に廃品の整理をしながらも、ついついその手を止めたくなる思い出の品もあり、そこで私はどうするか判断していったのですが、そこで捨てずに持ち帰ると、また同じことの繰り返しだと思って今日は大半をあきらめて置いてきました。

いよいよ、この後ろ向きな作業から解放され、スッと前を向くことができそう。そして、やっと自分のことにもかまっていられそうだと思うと、母に
申し訳ない気持ちはありながらもホッとしたのでした。

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